社説:(衆院選)きょう投票―「私たち」になるために(2014年12月14日 朝日新聞)

社説:(衆院選)きょう投票―「私たち」になるために

(2014年12月14日 朝日新聞)

「国民に信を問う」。そう突然言われ、何を問われているのかよくわからないまま迎えたきょうは投票日である。

どのような社会に生きたいか。そのためにはどのような道筋があるのか。候補者の言葉に耳を澄ませ、有権者ひとりひとりが自分の頭で考え、身近な誰かと議論し、時に候補者に打ち返す。その契機を提供することが、選挙に期待されるひとつの役割だ。そのような過程をくぐらずに、社会の紐帯(ちゅうたい)を編み、「私」の中に「私たち」という感覚を育むことは難しい。・・・