過干渉:子どもの人生を支配 「毒親」本相次ぎ出版(毎日新聞 2014年09月23日)

過干渉:子どもの人生を支配 「毒親」本相次ぎ出版
毎日新聞 2014年09月23日

子どもの人生を支配するように関わる親を扱った書籍や映画が話題となっている。「毒親」あるいは「毒母」と呼ばれる人たちのことで、子ども側が体験をつづった書籍の発売が続く。公開中のルーマニア映画で、ベルリン国際映画祭の最高賞、金熊賞を受賞した「私の、息子」も過干渉な母を描いている。「毒親」とは何なのだろうか。

◇母の言動に苦しみ
漫画家の田房永子さん(35)は、実の親との決別をテーマにしたコミックエッセー「母がしんどい」(中経出版)を2012年に出版した。描かれる実母・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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◇娘を束縛、期間長く
カウンセラーの立場からこの問題を捉えた「母が重くてたまらない〜墓守娘の嘆き」(春秋社)などの著書がある原宿カウンセリングセンターの信田さよ子所長は、「『毒親』になる人は、最初からひどい親だったわけではない。20年ぐらい前なら『いいお母さん』と言われたような人たちです」と指摘する。「『お母さんの望み通りの娘じゃなくてごめんね』と思っていた子どもが人権意識に目覚め、自分は悪くない、なぜ評価されないのかと思った時、その親は『毒親』になる」という。「どうせ、あなたなんか何をやっても無駄よ」「あなたは絶対に幸せになれない」

そんな言葉が子どもを縛るという。どれも他人に言われたら突き放せるが、自分の最大の理解者であるはずの母親から発せられた言葉は、重い現実味をもって響くからだ。信田さんは、こうした親が生まれる背景の一つに高齢化社会を挙げる。親が長生きし、加えて子ども世代の未婚率が上がっているため、「親はいつまでも娘を独占できるから」。

自分が「毒親」である可能性に気付くことはできるのだろうか。信田さんは「子どもには自分の知らない世界がある、と思えるかどうかが境目」と・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇ 「毒親」を持つ人たちが集まるイベント「毒母ミーティング」が25日午後7時半から、東京都杉並区の「阿佐ケ谷ロフトA」で開かれる。田房さんや信田さんらが出演し、親とのエピソードや「逃げ方」を語る。詳しくは阿佐ケ谷ロフトAのサイト(http://www.loft-prj.co.jp/lofta/)で。【五味香織】